マンチェスター・バイ・ザ・シー

評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
<8点以上→オススメ/7〜6点→まあまあ/5点→普通/3~4点→微妙/2点以下→ハズレ>

"Manchester by the Sea"
(2016年/アメリカ/137分)
公開:5月13日
監督:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、ルーカス・ヘッジス
 
【あらすじ】アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)。ある日、一本の電話で、故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーにいる兄のジョー(カイル・チャンドラー)が倒れたことを知る。リーは車を飛ばして病院に到着するが、ジョーは1時間前に息を引き取っていた。冷たくなった兄の遺体を抱き締めお別れをしたリーは、医師や友人ジョージと共に今後の相談をする。ジョーの16歳の息子で、リーの甥にあたるパトリック(ルーカス・ヘッジズ)にも父親の死を知らせるため、ホッケーの練習をしている彼を迎えに行く。見知った街並みを横目に車を走らせながら、リーの脳裏に仲間や家族と笑い合って過ごした日々や、美しい思い出の数々が浮かび上がる。リーは兄の遺言を聞くため、パトリックを連れて弁護士の元を訪れる。ジョーがパトリックの後見人にリーを指名していたことを知ったリーは絶句する。弁護士は遺言の内容をリーが知らなかったことに驚きつつ、この町に移り住んでほしいと告げる。弁護士の言葉でこの町で過ごした記憶が鮮明によみがえり、リーは過去の悲劇と向き合わなくてはならなくなる。なぜリーはこの町を出ていったのか?なぜ誰にも心を開かずに孤独に生きるのか?リーはこの町で、パトリックと共に新たな一歩を踏み出すことができるのだろうか?
 
マンチェスター・バイ・ザ・シー

インディーズでありながら、アカデミー賞で主演男優賞と脚本賞を獲得した一作。評判に違わず、静かに魅せる映画だった。「静かに」てのはこの映画の場合は本当に文字通りで、起承転結があるようでない。クライマックスも特に無く、淡々と進んで淡々と終わる。

過去と今がフラッシュバックするんだけど、過去のリーと今のリーの表情が全然違ってて何とも言えない。ケイシー・アフレックの主演男優賞には正直「そこまでか?」とは感じつつも、敢えて抑えた演技が素晴らしかったのは間違いない。兄貴とは全然違うタイプの俳優になっとるね。

そしてそのケイシーに負けてないのがパトリックを演じたルーカス・ヘッジズ。今風ながらも、どこか寂しさを感じさせる佇まいなくしてこの映画は成り立たなかったと思う。

マンチェスター・バイ・ザ・シー

ちょい残念だったのは前半のテンポがややタルいこと。どこに焦点絞ってるのかも分かりにくいし、この辺は監督の演出のせいかもしれない。イーストウッドならもうちょい味をつけるような…??

それでも後半の特に奥さんとバッタリ遭遇した時の2人の何とも言えない交わり方が超切なかった。シンプルで無駄を削いだシーン。ここの表現は本当にすごい。大したもんだ。日本の役者だとこうはいかない。


傷は癒えない。でも癒えないながらも別の希望が出てくる。決して安っぽい結末にせず、その描き方がリアルだった。DVDになったらもう一度見たい秀作。

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