ハドソン川の奇跡

評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
<8点以上→オススメ/7〜6点→まあまあ/5点→普通/3~4点→微妙/2点以下→ハズレ>

"Sully"
(2016年/アメリカ/96分)
公開:9月24日
監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー
 
【あらすじ】2009年1月15日、極寒のニューヨーク。160万人が暮らすマンハッタン上空850メートルで突如、航空機事故が発生。全エンジンが完全停止し、制御不能となった旅客機が高速で墜落を始める。サレンバーガー機長(トム・ハンクス)の必至の操縦により、70トンの機体は目の前を流れるハドソン川に着水。“乗員乗客155名全員無事”という奇跡の生還を果たした。着水後も、浸水する機内から乗客の避難を指揮した機長は、国民的英雄として称賛を浴びる。だが、その裏側では彼の判断を巡って国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われていた…。
 
ハドソン川の奇跡

「アメリカン・スナイパー」でも魅せたイーストウッドクオリティ。ハリウッドの定番フォーマットのような煽り方をせず、事実を淡々と繊細に描いていく。最たるモノは映像的にも物語的にも一番の「見せ場」であるはずのエアバスの着水シーンを中盤に持ってくると言う大胆な時間軸設定かな。普通は冒頭かラストだもんね…。

ただ、邦題が残念だ。無駄に感動作っぽくしたことでかえって安っぽくなった気がする。この映画のストーリーラインとも明らかにズレてるしなー。せめてサブタイトルにしといて欲しかった。

ハドソン川の奇跡

乗客155人の命を救った「英雄」と称えられる機長。でも「空港に戻れたはずだ」とシミュレーションした委員会の連中が「乗客の命を危険に晒し、機体に損害を与えた」と糾弾する。紙一重なのに180度異なる評価軸。ああ、社会って恐ろしい…。

そしてその苦悩を見事に演じきるトム・ハンクスはいつもながら素晴らしい。エンドロールも秀逸で、人間の美しさと醜さのコントラストがリアル。それも紙一重なんろうな、きっと。人間ってそういう生き物だったことか。イーストウッドの熟練の極を堪能できる一作。
 
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