日本で一番悪い奴ら

評価:★★★★★★★☆☆☆(7点)
<8点以上→オススメ/7〜6点→まあまあ/5点→普通/3~4点→微妙/2点以下→ハズレ>

"日本で一番悪い奴ら"
(2016年/日本/135分)
公開:6月25日
監督:白石和彌
出演:綾野剛、YOUNG DAYS、植野行雄、矢吹春奈、ピエール瀧、中村獅童

【あらすじ】大学柔道部での腕を買われ北海道警察に勧誘された諸星要一(綾野剛)は26歳で北海道警察本部の刑事となるが、捜査も事務も満足にできず、周囲から邪魔者扱いされる。署内でも抜きんでた捜査能力を発揮する刑事・村井定夫(ピエール瀧)は諸星に、刑事が認められるには犯人を挙げて点数を稼ぐことが必要、そのためには協力者=S(スパイ)を作れ、と説く。諸星は自分の名刺をばら撒き、内通を得て暴力団組員を覚せい剤・拳銃所持で逮捕する。その功績で本部長賞を授与されるが、令状のない違法捜査に暴力団側が激怒する。幹部の黒岩勝典(中村獅童)と面会した諸星は無鉄砲な性分を買われ兄弟盃を交わし、黒岩が諸星のSとなる。諸星は31歳で札幌中央署暴力犯係(マル暴)に異動し、ロシア語が堪能な山辺太郎(YOUNG DAIS)を黒岩から紹介される。さらに太郎からロシアルートの拳銃横流しに精通するパキスタン人アクラム・ラシード(植野行雄)を紹介され、共にSとして付き合う。要人への銃撃事件の増加に伴い道警本部に銃器対策課が新設され、諸星は第二係長を拝命する。新設部署の面子のため手っ取り早く拳銃の摘発をしたいと上司に相談されると、所持者不明の銃をコインロッカーに入れて摘発を偽装。これをきっかけに摘発手段はエスカレートしていき、ロシア人から1丁2万円でトカレフを購入して摘発件数を水増しするようになる。諸星は銃器対策課から予算を引き出し、太郎とラシードを拳銃の仕入れにロシアまで向かわせるが、1丁しか購入できなかった。そこで手頃な値段で拳銃を売る東京のヤクザを頼るが、拳銃が一般の宅配便で送られてきたため警視庁の知るところになり、この影響でヤクザの拳銃の販売価格が高騰する。諸星は資金不足を補うため、黒岩の提案でシャブを捌くことに。一線を越えた諸星は公私ともにSとの関わりを深めていく。黒岩はさらに大きな計画を諸星に持ち掛け、税関、道警を巻き込んだ日本警察史上最大の不祥事を引き起こす。
 
日本で一番悪い奴ら

綾野剛の繊細且つ大胆な演技が素晴らしい。そして「凶悪」でも冴えてた白石監督のダークになり過ぎず、テンポ良く展開させる演出。20年以上の時間経過があるので、必然的に1つ1つのエピソードは短く、下手をすればブツ切りになりかねないにも関わらず、それを感じさせない。

根は体育会系で純粋だからこそ、先輩刑事の言葉を真に受けてやり過ぎてしまう。特に冒頭部分のこの「変化」を綾野剛はとてもナチュラルに超えて来た。なかなか昨今の役者でこのクオリティの演技が出来る人はいない。ジャニーズ勢やモデル上がりではまず無理だ。

終盤、覚醒剤で狂っていく様も実に上手い。瞳孔が開き、服装も常に白と薬物常習者の特徴をよく抑えている。体重も10kg増やしていったと言うし、このアウトロー全開な映画にかなりの力を入れて臨んだことは想像に難くない。

日本で一番悪い奴ら

全てが上手くいっている時はイイ女が寄って来るしセックスもし放題なんだけど、ちょっと歯車が狂った途端に何もかもあっという間に崩れていく。これまで散々描かれ尽くされた展開なのに、この映画のリアリティはなかなかのモノ。マンガにもダークにもなり過ぎず、いい塩梅に抑えている。

ま、絶対に大衆受けする種類ではないけど、一見の価値ありの秀作。しかし警察文化ってのは怖いね…。マジで「警察の常識、世間の非常識」状態…。

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