心が叫びたがってるんだ。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
<8点以上→オススメ/7〜6点→まあまあ/5点→普通/3~4点→微妙/2点以下→ハズレ>

"心が叫びたがってるんだ。"
(2015年/日本/119分)
公開:9月19日
監督:長井龍雪
出演(声):水瀬いのり、内山昴輝、細谷佳正、雨宮天
 
【あらすじ】幼い頃、何気なく発した言葉によって家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順(声:水瀬いのり)。彼女は、突然現れた“玉子の妖精”によって、二度と人を傷つけないようにお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなる呪いをかけられてしまった。それ以来、トラウマを抱えた彼女は心を閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は携帯メールだけ。やがて高校2年生になった順はある日、担任から“地域ふれあい交流会”の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わず、やる気のない少年・坂上拓実(声:内山昂輝)、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した野球部の元エース・田崎大樹(声:細谷佳正)、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月(声:雨宮天)。彼らもそれぞれ心に傷を抱えていた。担任の思惑により、交流会の出し物はミュージカルに決定するが、クラスの誰一人として乗り気ではなかった。その中で拓実だけは、“もしかして歌いたかったりする?”と順の気持ちに気付いていた。だが、順はそれを言い出せない。“だんまり女にミュージカルなんて出来るはずがない”と、揉める仲間たち。自分が原因で揉める様子を目にして、順は思わず“私は歌うよ!”と声に出してしまう。そして迎えた発表会当日。心に閉じ込めていた“伝えたかった本当の気持ち”を歌うと決めたはずの順だったが…。

心が叫びたがってるんだ。

アニメならではの映画、って感じかなー。実写だと悲惨な出来になりそう。所々でイイ台詞はあるんだけど、全体的な構成とバランスには再考の余地がある。

単純で予定調和な物語の割に、キャラクターの掘り下げが浅くて感情移入しにくいのが最大の弱点かと。特に成瀬の父親とか田崎の後輩とか、サブキャラの作り込みがヌルいね。先生も登場時はいいキャラだったのに後半で全く活かせてない。みんな、メインキャラをこうしたいって設定の誘導係のためだけに存在してる感がアリアリ。ま、そもそも坂上を主人公にして「喋らない謎の同級生」成瀬のトラウマを溶かしていく、って方がイイ話に出来たと思うけどなぁ…。

心が叫びたがってるんだ。

背景は新海誠監督作ほどではないけどメチャクチャ綺麗で、アニメ特有の強さを感じる。ただ、肝心のヒロインの魅力が今一つ。終盤の「ある場所」での坂上と成瀬のシーンも制作側は明らかにピークに持ってきてるんだけど、あそこに至る流れの中で逆に「ただのイタい奴」に成り下がってしまった。

ミュージカルをサボる理由があまりにも稚拙で、現実的にはあんなことやったら普通はクラス全員から総スカン。でも何故かみんなイイ人過ぎて、すんなり受け入れてしまうのは物語の構成として未熟と言わざるを得ない。「くちびるに歌を」とほぼ同じ欠点。ありえない。残念ながら、ありえないことをありえるように見せる物語にはなってない。

心が叫びたがってるんだ。
 
実はNETFLIXで「あの花」も見たんだけど、作品の完成度を比較すると明らかにこの映画の方が劣る。ただ、キャラクターの作り込みが甘いのは双方に共通してるんだよなー。細田守監督もこの点に関しては同じなんだけど。次回作は是非そこを詰めて欲しい。フィクションを作る際の基本のキの部分だし、描こうとしているテーマは悪くないので。

あ、あとエンドロールの乃木坂46の歌、実にマッチしてて良かったね。映画の世界観に上手く溶け込んでたと思う。

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